顕微鏡写真の簡単デジカメ撮影法
NTT西日本大阪病院 阿倉 薫
○細胞を気軽にメモる時代の到来
ほんの数年前までは、顕微鏡写真というと極めて特殊で、稀症例や学会発表用や教育用に撮影するくらいで、大部分の細胞検査士にとっては無縁なものでした。又、顕微鏡写真を撮影できる三眼顕微鏡や、撮影装置はどこにでもあるというのではなく、大部分の細胞検査士は長年細胞をみているけれども、顕微鏡写真はとったことがない!というのが現実だったと思います。
でも、いまは、ちょっと違います。あのデジカメの出現によって、それも、顕微鏡の接眼レンズから撮影できるデジカメの出現によって、『撮りたい細胞と。顕微鏡と。デジカメがあれば、まさに!。だれでも。いつでも。どこでも。』気軽に顕微鏡写真がとれる時代になったのです。(写真1)
”百聞は一見にしかず”という諺が示すように、いくら詳しく細胞を言葉で表現してみても、その形態は正確には伝わりません。一番いいのは、顕微鏡でその細胞を見てもらうことです。その次は写真です! 今や、細胞を簡単にメモる時代がきました。どんどんメモって、インターネットで送って、情報の交換をしましょう!
そういうわけで、このシリーズでは、数回に分けて「簡単デジカメ撮影法」を載せていきます。
その1:”顕微鏡写真の撮影できるデジカメ”です。
【方法】
デジカメの光学ズームを最望遠側にして、顕微鏡の接眼レンズに密着させて、うまく写るかどうかの検討をしました。中心部に円形にしか写らない機種や4隅がケラレる機種は不可とし、視野全体に顕微鏡の視野が写る機種を可能としました。(写真2)約 50機種のデジカメを検討しました。16機種が顕微鏡写真の撮影可能でした。
【結果】
約 50機種のデジカメを検討しました。16機種が顕微鏡写真の撮影可能でした。(表1)
お近くにデジカメがあれば試してみて下さい。
(この検討は、顕微鏡写真を撮影する、という特殊な状態での評価にすぎません。不可になったデジカメも普通の状態で撮影するのは、なんの支障もありません)
次回は撮影の注意点です。