「スイス(番外編)」

細胞検査士として、スイスで働いたのち、、現在b&b(朝食のみの民宿)経営をしている広島県呉市出身の臨床検査技師、細胞検査士(記事では細胞検査技師)ローアまゆみさんのことが載っている記事を紹介します。

トゥーン アットホームな宿心がける…ローアまゆみさん

◇B&B経営

アイガー、ユングフラウなどスイス有数の名峰が集まる中部ベルナー・オーバーラント地方を代表する町トゥーン。駅からほど近い閑静な住宅地に建つ自宅「ビラ・ピペリン」の3室を日本人旅行客に貸している。

3階にある客室のうち、1部屋は畳があり布団も使える「和室」。同じ階に、共同のシャワーとトイレのほか、自炊ができる小さな台所もある。ゆったりとした庭には、リンゴなどの樹木やバラ、ハーブが植えられ、天気のいい日は、1階のポーチで、緑を楽しみながら朝食をとることもできる。

「日本の人たちにゆっくりくつろいでもらって、スイスの本当の良さを知ってもらいたい」

1906年に建てられた洋館を購入したのは95年のこと。家族が使わない3階をどう活用しようかと考えていた時、たまたま知人を2週間泊める機会があり、朝食付きの宿泊施設として利用することを思いついた。

スイス人の夫ルーカスさんが、ほとんど1人で部屋の改修や電気配線工事などを行った。ただ、「泊まりに来た若いお客さんに、内装を手伝ってもらったこともある」という。

 広島県呉市出身。高校卒業後、臨床検査技師の資格を取り、東京などで働いた。その後、取得した細胞検査技師の資格を生かすため、28歳の時にスイス東部サンクトガレンに仕事を見つけたのが、この国で生活するきっかけとなった。

「日本ではまだ、細胞検査技師という資格があまり浸透しておらず、女性が働くことの難しさもあった。ここでは自由な雰囲気で仕事ができ、精神的にも時間的にも、余裕が生まれた」

同僚の紹介で知り合ったルーカスさんと結婚。3人の子どもは地元の学校に通うが、日本人宿泊客との交流を通じ、日本語や日本文化に接する環境もできあがった。

 7月初め、ルーカスさんの同僚や友人を集め、パーティーを開いた。昨年に続いて今夏も宿泊していた日本人夫妻も参加し、庭でバーベキューを楽しみ、ピアノやギター演奏、歌などで深夜まで盛り上がった。

「特別なことは何もしないけれど、私たちも、泊まる人たちも無理せず楽しめるよう心がけている。体力の続く間は続けていきたい」

特段、宣伝をしていないにもかかわらず、リピーター客や長期滞在者が多い秘密は、家族のような温かで自由な雰囲気にあるようだ。(長谷川 由紀)

 (2004年8月16日 読売新聞より・・・・転載許可済み)

「読売新聞」 2004年8月15日(日曜版)、読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/watashi/20040816sd01に掲載されました。

読売新聞社の許可を得てこのコーナーに転載しています。


トゥーン駅

トゥーン湖

トゥーン城と市街

湖から望む名峰

自宅全景

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